丸山化成=アドブルー生産正常化も原料尿素高で価格見劣り
尿素水アドブルーメーカーの丸山化成(千葉県八街市)の生産が2月中に正常化した。中国の輸出規制で昨年10月から原料尿素の輸入が困難となり、生産が不安定な状態に陥っていたが、千葉、群馬、岐阜、宮城、福岡にあるグループ製造工場の稼働が再開したようだ。このところの国際需給の緩和で尿素の調達が安定した。
ただし、生産再開後の販売店向け卸価格はリットルあたりローリー届け80円台と、競合他社と比べてやや競争力を欠いた。同社は19年にアドブルー市場に参入して以降、価格を同40円台と他社より割安に設定し、販売シェアを広げてきたものの、足元ではその優位性を打ち出せていないようだ。
リム情報開発が発行する週刊『クリーンエネルギー』によると、2月10日時点の日本着尿素価格はキログラムあたりの円換算116円台半ばと、昨年6月時点の2倍以上で推移している。ただ、国際需給の緩和で下落傾向も出始めている。
アドブルーを巡っては、主要メーカーの伊藤忠エネクス、新日本化成、オプティなどが1月以降、追加で値上げを進めた。一方、国産尿素からアドブルーを作る三井化学、日産化学は2月も再値上げは見送り、様子見に徹している。
※『CROSSVIEW軽油』第94号(22年2月21日発行)でアドブルー関連記事「日本液炭アドブルー再値上げ、安定供給巡り攻防戦は新ステージへ」を掲載しています。
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