出光興産=秋田県湯沢市で地熱発電所を建設
出光興産は、INPEXと三井石油開発の3社で、秋田県湯沢市における地熱発電所(名称:かたつむり山発電所、出力:14,990kW)設置計画について建設段階への移行を決定したと6日に発表した。発電所は、蝸牛山(かたつむりやま)中腹(以下小安地域)に建設し、運営は3社が出資する小安地熱(設立:2018年9月、以下小安地域)が行う。運転開始は2027年3月を計画している。
3社は地下資源開発における各社の技術・知見を活用し、2011年より合同で小安地域での地下資源探査、地熱資源量確認および経済性評価等調査を行い、事業化を検討してきた。調査に際しては独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の助成を受けている。
調査の結果、3社は事業化が可能と判断し、このたび「かたつむり山発電所」の建設段階への移行を決定した。今後、国、地方自治体等に対して必要な手続きを進めていく。建設に際してはJOGMECの債務保証による支援を受ける予定。発電した電気は再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)の認定を受ける(1kWh当たり:40円+税、適用期間:15年間)。
2021年に実施した約3か月にわたる噴出試験(生産能力評価のための実証試験)のデータを用いた評価の結果、約15MWの出力に相当する地熱流体(蒸気と熱水)の安定した生産が長期的に可能となる見込み。また、かたつむり山発電所は環境や景観にも配慮した設計を行う予定で、3社は地域に貢献する発電所の建設・運営に取り組む。