LPG=元売りが仕切り価格を値上げ、パナマ通峡料の上昇で
パナマ運河の通峡料金が値上げされたことに伴い、LPGの元売り各社は2023年からプロパンの仕切り価格を徐々に値上げする。パナマ運河庁は昨年4月、運河における水資源事業やカーボンニュートラルへの対応に伴う設備投資の拡大を理由に、2023年1月より3年間にわたり運河の通峡料金を値上げすることを発表していた。これに伴い、2023年1月積み以降の米国産カーゴの調達費用が上昇することから、元売り各社は仕切り価格体系にこのコスト増を反映する方針だ。
LPG元売りのプロパン仕切り価格体系は、中東産カーゴと米国産カーゴのFOBベースの調達価格に、それぞれのフレート代が加算されている。今回は米国産カーゴの調達経費もしくはフレート代が上がる。
LPG元売りのプロパンの仕切り価格体系の概略図
※このほかにも諸経費あり
元売り各社が1月下旬までに通達しているプロパンの仕切り価格体系の改定幅は表1のとおり。
表1 元売り各社のプロパンの仕切り価格体系における改定幅
アストモスエネルギーは2023年4月1日出荷分から、米国産カーゴの調達経費をトンあたり3ドル値上げする。調達経費は24年2月1日出荷分から前年比で同3ドル、25年2月1日出荷分からはさらに同3ドル値上げされる。
ジクシスは、23年4月1日出荷分からの米国フレート代にトンあたり4ドルを加算し、24年4月1日出荷分からは前年比で同3ドル、25年4月1日出荷分からは24年比で3ドルを加算する。
ENEOSグローブは23年2月1日出荷分からのコスト転嫁となる予定。同社は米国産カーゴの調達経費を23年にトンあたり4ドル、24年2月1日出荷分からさらに3ドル、25年2月1日出荷分からは24年比で3ドル値上げする。
JGEは23年4月1日出荷分から米国調達経費をトンあたり4ドル加算。24年4月1日出荷分、25年4月1日出荷分からそれぞれ前年比で同3ドルの値上げを予定している。
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