日本製鉄=カナダの石炭会社に1,100億円出資、水素製鉄でも活用
日本製鉄は2月21日、カナダの鉱山会社テックリソーシズ社に出資すると発表した。テック社から分社・独立する事業会社の株式の一部などを取得する。取得額は総額約11億5,000万カナダドル(約1,100億円)。テック社が保有する高炉で水素を使い鉄鉱石を還元する次世代技術を取り込む。協業を通じて高品質の原料炭の使用も可能になるという。
日鉄はテック社から分離して上場予定のエルクバレーリソーシズ(EVR)社の普通株を10%取得するほか、優先株10%なども取得する。将来的にEVR社の持ち分法適用会社化も視野に入れる。EVR社は製鉄用原料炭事業を手掛け、年間生産能力は2,500万~2,700万トン。
日鉄広報によると、CO2排出量が多い鉄鋼業界は2050年のカーボンニュートラルを目標とするものの、同年まで一定程度の石炭使用はなくならない見込み。高品位炭は熱を奪う水素還元に比べ、熱源としてのメリットが大きいとして投資を決めたという。また、原料の権益を確保することで、市況に左右されにくい事業基盤を構築し、安定的に利益を稼ぐこともできるとしている。
東京 : 海外製品チーム 横井 03-3552-2411Copyright © RIM Intelligence Co. ALL RIGHTS RESERVED.