UBE三菱セメント=セメント製造プロセスでアンモニア混焼実機試験、世界初
UBE三菱セメントは、セメント製造プロセスから排出される二酸化炭素(CO2)の削減に向けて、宇部セメント工場(山口県宇部市)のセメントキルン(焼成炉)および仮焼炉で、アンモニアを熱エネルギー源として使用する混焼試験に着手したと発表した。セメント製造プロセスの実機レベルでアンモニア混焼を実施するのは世界初という。
同社総務部広報によると、アンモニア混焼率を30%まで段階的に引き上げる。アンモニア単体ではなく、工場から排出されるCO2を利用した合成メタン、石炭代替としての廃棄物利用など複数の熱エネルギー源の中から、2030年の中期経営計画に沿ってベストミックスを探っていくという。
現状では石炭に比べてアンモニアを使用するコストメリットはないという。ただ、今後、世界的に石炭への投資が縮小し、供給難から石炭価格が高止まりする見通しであることや、輸入コストが高い水素に比べ、近隣の宇部藤曲工場で生産されるアンモニアを使用できるため、アンモニアにコストメリットが生じるとしている。
一般的にセメントの中間製品であるクリンカーの製造には、熱エネルギー源として主に石炭を使用するものの、同社は建築廃材や廃プラスチックを混焼するなど、CO2削減に向けてさまざまな取り組みを進めている。
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