トヨタ自動車=7月1日付、新組織「水素ファクトリー」を設置
トヨタ自動車は13日、7月1日付で水素ファクトリーを設置し、営業、開発、生産までワンリーダーの下、即断即決できる体制にする。プレジデントに山形光正氏が就任、同組織では、以下の3点で事業展開を推進する。 1)マーケットのある国で開発・生産を行う 欧州・中国を中心に現地に拠点を設け、取り組みを加速。 2)有力パートナーとの連携強化 5月30日に発表したダイムラートラックをはじめ、連携数をまとめることでアフォーダブ ルな価格の燃料電池を顧客に届ける。 3)競争力と技術 次世代セル技術やFCシステムなど競争力のある次世代FC技術の革新的進化に取り組んで いく。 これら事業性見通しとして次世代のシステムでは、技術進化、量産効果、現地化で37%の原価低減を実現させる。さらにパートナーとの連携により、2030年に20万台のオファーを仮定した場合、原価低減は50%までを見込む。
水素分野では、次世代FCシステムにより、商用車両を中心に水素の需要拡大を目指す。 1)次世代FCシステムとして、高寿命、低コスト、低燃費に応えた性能を実現する次世代燃料 電池セルを開発しており、2026年の実用化を目指す。また、ディーゼルエンジン車をしのぐメ ンテナンスの容易さや、スタックコストで現行の半分を追求し、航続距離は原稿の20%向上を 見込む。 2)大型商用タンクの規格化を行い、水素需要の拡大を加速させる。欧州、米国、日本各社のタ ンク規格を統一し、数量をまとめることで製造コストの25%低減を目指す。同時に大型商用車 向けの液体水素タンクを開発中。 3)既存の車両をFCEVや水素エンジン車に転換できるよう、大型車や小型車まで対応可能な搭 載性に配慮した水素タンクを開発中。 4)水電解やバイオガスから水素を製造 ・水電解装置を新規に開発し、デンソー福島の工場で実装を始める ・2023年末までに、タイで現地の鶏糞や廃棄食料由来のバイオガスからの製造を三菱化工機 や豊田通商と連携する 5)水素エンジン車のナンバーを取得済み、公道の走行が可能。 〇カーボンニュートラル燃料 1)e-fuel 水素が安価な地域ではFCで水素をそのまま利用し、高価な地域では製造コストの安い地域でe-fuelを製造して輸送し、全体のコストが優位になるよう、可能性を検証していく。 2)バイオ燃料 2022年7月に「次世代グリーン CO2燃料技術研究組合」を設立しており、第二世代のバイオエタノール燃料の製造技術をめざして研究。新興国で活用が拡大しているバイオ燃料対応車両を投入。 〇電動化 現在の電池に代わる全固体電池を、早ければ2027年に電気自動車で実用化を目指す。航続距離は1,000キロメートルを実現させる。
|