EEX=1月の電力約定量が5.5TWhを突破、先月から倍増で過去最多を更新
欧州エネルギー取引所(EEX)が運営する日本の電力先物市場は、24年1月の約定量が5,590GWhに達し、月間の最多記録を2カ月連続で更新した。23年12月の約定量は2,779GWhで、1月は一気に2倍増に膨張。電力価格の固定ニーズの急拡大を追い風に、2023年通年の約定量である1万8,299GWhに対する進捗率は、1月だけで早くも30%を突破した。こうした驚異的なペースでの取引急増を受け、「電力という巨大商品の潜在性を感じざるをえない」(先物取引関係者)との声も出ている。
日本の電力先物市場は成長過程にあるものの、国内の電力需要はEEX本国のドイツと比べおよそ5倍の規模を誇り、市場のポテンシャルの高さを指摘する市場関係者が多い。電力自由化で先行する欧州と同様、先物の流動性に厚みが増せば、今後も取引拡大にいっそう拍車がかかりそうだ。EEXは2020年5月に日本市場に参入して以来、電力デリバティブの受け渡し期間を細分化した多様な商品ラインアップを提供。欧州の先物市場では天然ガスも上場しており、発電燃料と電力を絡めた横断的な価格ヘッジを可能にしている。
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