製油所稼働状況=15日時点の停止トッパー、前週並みの4基
リム情報開発調べによると15日17時現在、全国の製油所で稼働を停止している常圧蒸留装置(トッパー)は前週並みの4基。引き続き定期修理や生産調整で3基、計画外のトラブルで1基が止まっている。水面下ではこれ以外にも停止中のトッパーがあるようだ。 【停止トッパー 東日本】 鹿島アロマティクス コンデンセート(日量3万5,100バレル) ENEOS根岸製油所(日量15万3,000バレル) 東亜石油京浜製油所(日量7万バレル) コスモ石油四日市製油所(日量8万6,000バレル)
【停止トッパー 西日本】 なし
=トッパー稼働状況・地域別= 【北海道・東北=トッパー能力・2基 日量25万0,000バレル】15日現在、停止トッパーはなし。 出光興産北海道製油所は9月17日に定期修理の終了でトッパー稼働が再開した。同製油所は6月22日から定修入りしていた。同製油所では7月30日に小規模火災が発生。海陸出荷が一時止まったものの、出荷は同日中に復旧し、市場への影響はほとんどなかった。同製油所では二次装置不調も伝わるが、現時点でトッパー稼働への影響はなさそうだ。 ENEOS仙台製油所は8月15日以降、通常どおり稼働している。同製油所は8月1日夜、液化石油ガス(LPG)とガソリンの混合ガスの漏洩が発生。同15日にかけてトッパー稼働が止まっていた。同製油所は6月19日~8月14日にかけて小規模な点検補修工事も行っている。
【京浜=トッパー能力・11基 日量135万1,200バレル】15日現在、停止トッパーは3基。 鹿島アロマティクスのコンデンセートは引き続き稼働停止中。石油化学品の採算性が振るわず、生産調整を行っている。再稼働の時期は伝わらず。 出光興産グループ会社の東亜石油京浜製油所水江工場では、9月10日からトッパー稼働が停止中。市場関係者によると、一時的に立ち上げ作業が行われたものの、作業中に不具合が見つかり、依然としてトッパーの稼働を停止しているという。10月中旬の稼働再開が見込まれている。 ENEOS鹿島製油所のトッパーは8月10日に稼働停止したが、9月20日の稼働再開に漕ぎつけている。今回の停止を巡っては硫黄関連の装置不具合が背景との見方がある。同製油所は6月29日~7月11日に装置不具合の影響でトッパーの稼働を止める場面もあった。 ENEOSの川崎製油所の稼働は通常どおり。第2トッパーは5月13日~8月9日、第3トッパーは3月22日~8月29日に定修を行っていたが、定修の終了後はいずれも通常稼働を保っている。 コスモ石油千葉製油所では8月4日に第1トッパーが再稼働した。同トッパーは6月16日~7月16日にかけて定期修理による停電で稼働を停止。7月16日に再稼働したものの、装置の不具合が発生し同18日から再度稼働を止めていた。この不具合は足元ですでに解消済みという。同製油所の第2トッパーの稼働は通常どおり。同トッパーは4月29日~6月25日に定修で稼働を止めていた。この他、市場関係者によると、同製油所は現在リフォーマーの不調を抱えているが、現時点で出荷規制などの具体的な影響は聞かれない。 大阪国際石油精製(OIREC)の千葉製油所の稼働は通常どおり。同製油所では9月19日に小火が発生。市場関係者によると、小火を受け海陸出荷が瞬間的に停滞したが、すぐに復旧しており、トッパー稼働への影響も聞かれなかった。なお同製油所は装置不具合のため、7月23~28日にかけてトッパーの稼働を停止する場面もあった。 ENEOS根岸製油所は9月9日から定修でトッパー稼働が停止中。稼働再開は11月中旬ごろとなる見通しだ。 出光興産の千葉事業所のトッパー稼働は通常どおり。同製油所では7月2日に潤滑油製造装置を火元とする火災が発生し周辺の二次装置の稼働を停止。同日には火災の影響で海陸の石油製品の出荷停止も発生したが、一両日中に解消した。 出光グループ会社の富士石油袖ヶ浦製油所のトッパーは通常どおり稼働している。
【中京=トッパー能力・4基 日量51万6,000バレル】15日現在、停止トッパーは1基。 コスモ石油四日市製油所のトッパーは、9月29日から定修入りした。定修明けは11月上旬を予定している。なお定修中の作業に伴い、同製油所は10月18日17時~24日まで各油種の出荷規制を行う予定だ。 昭和四日市石油の四日市製油所はトッパーの稼働は通常どおり。6月7日にガス漏れが発生したことを受け、残渣油流動接触分解装置(RFCC)の稼働率が落ち込んでいたが、市場関係者によると、この稼働率低下は7月末までに復旧している。今秋に二次装置の補修工事を行うが、トッパーの稼働を落とすことはないもよう。また出光興産愛知事業所のトッパー稼働は通常ペースを保っている。
【阪神=トッパー能力・2基 日量24万1,000バレル】15日現在、停止トッパーはなし。 ENEOS堺製油所のトッパー稼働は平常運転を保っている。 コスモ石油堺製油所のトッパー稼働は通常どおり。同製油所は2023年末、24年1月中旬に脱硫装置の不調が響き重質油熱分解装置(コーカー)の稼働が止まっていたが、海陸出荷への影響は限定的だった。5月下旬時点でも軽微な二次装置不調が伝わっていた。
【大西=トッパー能力・7基 日量75万2,200バレル】15日現在の停止トッパーはなし。 ENEOS大分製油所は5月13日に始まった定期修理が終わり9月1日にトッパー稼働が再開した。台風10号の接近を受け、再稼働は当初予定の8月下旬より若干後ずれしたものの、台風以外はおおよそ予定どおりに定修作業が終了している。 太陽石油四国事業所では第1トッパーが6月25日~7月13日、第2トッパーが6月26日~7月19日まで定期修理に入っていた。両トッパーはそれぞれ通常どおり稼働している。同事業所は2024年度に計2回の定修を計画。次回は12月から約3カ月間を予定している。また同事業所では9月21日に少量の軽油留分が海上に流出事故が発生したが、製油所稼働への影響はなかったようだ。 ENEOS水島製油所A工場、B工場は通常どおり稼働中。ただ、業界関係者によると、同製油所では水面下でトッパー稼働が止まっているようだ。水島B工場の第2トッパーは10~11月ごろ、小規模な定期修理が予定されている。ENEOS麻里布製油所の稼働は通常どおり。
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