JFEスチール=インドで方向性電磁鋼板、製造販売拠点を大幅に強化へ
JFEスチールと、同社のインドでの戦略的パートナーJSW Steel Limited(以下、JSW)は5日、持分比率50:50で設立した方向性電磁鋼板製造・販売会社JSW JFE Electrical Steel Private Limited(以下、J2ES Vijayanagar拠点)とJSW JFE Electrical Steel Nashik Private Limited(旧thyssenkrupp Electrical Steel India Private Limited、以下、J2ES Nashik拠点)の2拠点について、製造能力の大規模拡張を決定したと発表した。両社は今回、両拠点の拡張に向け約1,200億円を投じる。2024年2月のJ2ES Vijayanagar拠点設立投資と25年1月のJ2ES Nashik拠点の買収と併せ、投資総額は計約2,900億円となる。
インド国内での競争力を強化し、急成長する方向性電磁鋼板の需要に対応するのが狙い。今回の計画では、J2ES Vijayanagar拠点の製造能力を当初計画から約10万トン/年に倍増。J2ES Nashik拠点の現状製造能力である約5万トン/年を約25万トン/年に引き上げることで、両拠点の製造能力を計35万トン/年へと大幅に拡張する。
世界最大規模の人口を有するインドでは、経済成長に伴う電力需要増加や再生可能エネルギー使用の拡大、変圧器の高効率化、データセンターの増加などに伴い、方向性電磁鋼板の需要が急速に伸びている。J2ES Vijayanagar拠点は当初計画通り27年度中のフル生産開始を予定。J2ES Nashik拠点の拡張は2028年度から段階的に進め、2030年度での完了を見込んでいる。両社は今回の製造能力拡張により、インド市場における方向性電磁鋼板のトップサプライヤーの地位を確実なものとすることを目指す。
JFEスチールはリリースで、「今回の両拠点の製造能力拡張により、JSWとともにインド国内唯一の方向性電磁鋼板一貫製造メーカーとして伸びゆくインド市場でのプレゼンスをより高めるとともに、当社の世界トップクラスの技術力をもって、再生可能エネルギー拡大やエネルギーロス削減のための高効率化製品ニーズに対応することで、持続可能な社会の実現に貢献していきたい」としている。
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