東北電=東通原発1号機「安全対策完了公表時期」を1年半延期
東北電力は19日、東通原発1号機(定格出力110万kW、沸騰水型、青森県東通村)の安全対策工事の完了時期の公表予定を1年半程度延期すると発表した。安全対策工事の完了時期については、2027年3月頃に公表を目指すとしている。 東北電は2024年4月、東通1号機の安全対策工事の工程について、24年度の工事完了が困難な状況にあるとし、工事完了時期を見直すと発表。新しい安全対策工事の完了時期については、プラント審査準備に向け、PRA津波対策に詳細な検討が必要であるとし、「プラント審査の準備が整い、今後の工程の見通しが得られた段階で公表する」と説明していた。 東北電によると、今回の延期に至った経緯について、「プラント審査の準備を進めるのと並行し、基準津波に対する裕度を積み増しするための敷地造成を検討した結果、今年2月より敷地造成に伴う基準津波等への影響について、新規制基準適合性審査の対応を鋭意行っている」と説明。現行の基準津波(T.P.+12.1m)は、耐震重要施設等が設置されている敷地高さ(T.P.+13.0m)を下回っており、新規制基準に適合している状態だが、「東通1号機を安全・安心に運転していく観点から、敷地造成を計画し、基準津波に対する裕度の積み増しを図ることとした」(東北電の広報担当者)と述べた。 敷地造成は、結果としてPRA津波対策にも有効に働くことが期待され、津波に対する安全性の向上にもつながる。一方で敷地造成に関する審査の進捗に伴い、基準津波の再評価も進めているため、今後、PRA津波対策についても再検討を行う必要があるのだという。 そうした状況を踏まえて、東北電力の広報担当者は「基準津波の再評価が必要となるなど、プラント審査準備を進めるうえでの前提が変わり、PRA津波対策の再検討や施設の配置計画といったプラント審査準備について、更に時間が必要となった」と公表時期の延期理由を説明した。
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