中部電=三菱商事洋上風力コンソーシアムから撤収、損失170億円
中部電力は27日、同社グループのシーテック(名古屋市緑区)が参画していた、三菱商事洋上風力を代表企業とするコンソーシアムの洋上風力プロジェクトの事業継続を断念すると発表した。同日、シーテックは「国内洋上風力発電事業に係る事業性再評価の結果について」と題する報告書を公表した。これにより、中部電は連結収支(2026年3月期連結会計期間)で、170億円程度の損失が発生する見通し。 シーテックは、三菱商事洋上風力を代表企業とするコンソーシアムを通じ、秋田県能代市、三種町及び男鹿市沖、秋田県由利本荘市沖、千葉県銚子市沖の3海域で各プロジェクト会社を設立し、発電事業者として洋上風力発電所の開発を進めていた。 中部電によると、「公募参画当初の想定を上回る事業環境の変化を受け、事業性の再評価に取り組んでいたが、事業性再評価結果に基づく三菱商事洋上風力の意向を踏まえ、事業パートナー間で協議を行った結果、事業継続は困難であるとの結論に至った」のだという。中部電は「地域の方々をはじめ、関係する皆さまのご期待に応えられない結果となったことを重く受け止めております」との談話を出した。 また中部電の連結業績予想(2026年3月期連結会計期間)については、夏季の高気温による冷房設備の稼動増など収支向上要因も発現していることに加え、今後の需給状況の見極めが必要であることや、グループを挙げた収支向上施策の取り組みを進めていることから、7月29日公表値から変更しないとしている。中部電は「今後の需給状況などを精査し、連結業績予想に大幅な変化が生じた場合には、速やかに公表する」としている。
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