三菱商事=秋田・千葉沖の洋上風力発電計画から撤退
三菱商事は27日、秋田県と千葉県両沖の計3海域で計画していた洋上風力発電事業から撤退すると発表した。洋上風力発電事業では、同社の子会社三菱商事洋上風力を代表企業とするコンソーシアムが、「秋田県能代市、三種町及び男鹿市沖」「秋田県由利本荘市沖」「千葉県銚子市沖」の3海域で、開発を進めていた。 撤退理由について三菱商事は、2021年12月に国から同事業の事業者に選定されて以降、新型コロナウイルスの蔓延やウクライナ危機など、事業環境の大きな変化があったことに触れ、「コスト、スケジュール、収入などあらゆる面において、取り得る様々な手段・可能性を追求しながら事業性の再評価に取り組んできたが、事業パートナー間で協議を行った結果、実行可能な事業計画を立てることは困難であるとの結論に至った」と説明。「地元の方々をはじめ、関係する皆様のご期待に応えられない結果となったことを重く受け止めている」との談話を出した。 同社は今年2月、2024年4~12月期の決算と併せ、同3海域の洋上風力発電のプロジェクトについて522億円の減損損失を計上した。同社は、この減損に触れる形で「本件に関する損失は過年度に大部分を計上済みであり、追加の損失が生じる場合でも限定的となる見込み」と述べた。
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