関電=福井の使用済み核燃料、35年末までに中間貯蔵施設へ搬出方針
関西電力は29日、福井県内の原子力発電所に貯蔵されている使用済み核燃料について、県外の中間貯蔵施設への搬出を2035年末までに開始する方針を明らかにした。同日、福井県に説明した資料「使用済燃料対策ロードマップの実行状況」内で明らかにした。なお、「県外の中間貯蔵施設」がどこなのかついては具体的な記載はなかった。
福井県への説明資料では、核燃料の搬出を円滑に進めるため、原発の敷地内に使用済み核燃料を空冷方式で保管する容器「乾式キャスク」の貯蔵施設を、県内3原発に設置する考えを示した。
関電は貯蔵プールにある使用済み核燃料について「30年頃に乾式貯蔵施設を運用開始(高浜原発が28年、美浜・ 大飯は30年頃)し、順次、乾式貯蔵施設への搬入を開始」することと、「遅くとも35年末までに乾式貯蔵施設から中間貯蔵施設への搬出を開始する」との方針を示した。
全国の原発では、増え続ける使用済み核燃料の貯蔵が課題となっている。使用済み核燃料再処理工場(青森県上北郡六ヶ所村)の完成時期が相次いで延期されていることもあり、国や各電力会社は核燃料を一時的に貯蔵する「中間貯蔵施設」の整備を計画している。昨年11月には、東京電力と日本原子力発電が出資するリサイクル燃料貯蔵(青森県むつ市)が中間貯蔵事業を開始。すでに一部の原発から核燃料の搬出が始まっている。
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