LPG=富士瓦斯・津田社長に聞く、andLPGカンファレンス(下)
―LPG業界全体が抱える問題は
最も重要なのが保安の問題です。強く意識するのは小型容器での販売(質量販売)です。現在、普通に出回っている容器はバルブを捻るとガスが出てしまい、それに火つけたら火炎放射器になってしまいます。調整器を手締めするタイプの小型容器が結構あって、それが外れてしまうことがあり、大変危険です。小型容器での販売をやめてしまえばいいという声も業界から上がっていますが、屋台、キッチンカー、バーベキューなど実際にそれを利用して生活している人がいるのにやめるわけにはいきません。容器と調整器をワンタッチで簡単に接続できるカップリング式の容器を使えば、誰でも簡単に接続できますし、仮に外れてもガス漏れのリスクが低いので安全です。そういったものを普及させたり、法制化して義務付ける必要があると思いますが、現在は業界としての働きかけがない状態です。
―LPGは災害に強いとされているが、災害対応については
災害対応にしてもLPG業界は問題があると思います。都市ガスや電力の業界だと、地震が発生すると、都市ガス会社や電力会社がすぐさま現地に入って状況を整理し、オールジャパンで復旧に取り組んだりします。しかし、LPGにはそれがありません。どこかで地震が発生した際にLPG事業者がみんなで協力し合って支援に入ることがない。個社でできることをやるだけです。また、支援したい気持ちがあっても何をしていいかわからないという問題もあります。たとえば、被災した県の協会に支援に入りたいと伝えても、「そんなことを言われても困る」と、むしろ断られてしまうことがあります。支援したければ知り合いの伝手を辿るなどして自分たちで支援先を探し出して、どこでどんな支援が必要かを見つけるところから始めなければなりません。本来であれば、全国規模の業界団体の中に被災対策本部みたい組織を作って、そこが中心となって被災した地域の県協などと連絡を取って、方法やスケジュールなどを決め、具体的に支援に入れるようにするべきですが、それができていないのが現状です。
―需要開拓については
需要自体が縮小していくなかで、当社は以前から「増販なき繁栄」と言い続けています。世の中のLPGの必要性は現在、多様化しています。災害用の備蓄、バーベキューやキッチンカー向けの需要などかつてはありませんでした。あまり知られていませんが、LPGで蚊を取る機器や発電機、屋外のヒーターなどの需要もあります。そういった需要に絡めて、機器のレンタル料やメンテナンス代、配送代などで利益を増やすことは可能です。LPGの活躍の場は増えているのです。
今後の需要開拓で重要になってくるのは、軽油や重油などの石油系ボイラーから都市ガスやLPGを使ったガスボイラーへの燃料転換に伴う需要でしょう。石油からガスに変えるだけで、環境負荷が大きく下がりますので、需要の増加が見込まれます。今はその燃転があまり進んでいません。


