海外=英国で輸送部門のGHG排出量増加が続く、米DOEがCCSUに助成金
英国国家統計局によると、英国の輸送部門における温室効果ガス(GHG)排出量は1990年以降、30年間で6%増加したという。輸送量が増加したことが自動車の燃費向上分と相殺されるとしている。総輸送距離は1990年の2,550億マイルに対し、2018年は3,280億マイルにまで増加した。
9月10日付の『エナジー・ボイス』などによると、英BPは原油や天然ガスのプロジェクトからのメタン漏洩に対し、ドローン(無人飛行機)や監視カメラなどを利用したモニターを開始した。北海の100キロメートル沖合のクレア・プラットフォームで遠隔監視が可能になり、今後は既存の生産施設に対しても監視を実施する予定としている。
米エネルギー省(DOE)は9月13日、二酸化炭素(CO2)回収・貯留・利用(CCSU)技術の研究開発に1.1億ドル相当の助成をすると発表した。7,500万ドル分は現予算年度中に発表済みだ。天然ガス・石炭火力プラントへのCO2回収プロジェクトの基本設計役務(FEED)に5,540万ドル、CCSUを展開するプロジェクトに2,000万ドルを助成する。また、9月11日には、米カリフォルニア州エネルギー委員会(CEC)がゼロエミッション車の普及促進のため、クリーン輸送システムのインフラ整備に9,500万ドルの助成を計画しているとすでに発表している。
他方、米国エネルギー情報局(EIA)は9月16日、すべてのバイオディーゼルプラントを対象とした生産能力にかかわる年次レポートを初めて発行し、その内容を公表した。2019年1月現在、バイオディーゼルプラント数は102カ所で、生産能力は26億ガロン/年。半分以上が中西部にあるという。18年のバイオディーゼル生産量は18億ガロン(日量11.9万バレル)で、稼働率は72%だった。
EIAはこのほか、2018年に米国で発電所向けに6億ショートトン(st)の石炭が出荷されたと発表。出荷量は減少が続き、1983年以降で最低となった。出荷量の75%は鉄道貨車を利用した。18年の輸送コストは、17年の16.28ドル/トンから16.07ドル/トンに低下したという。
ところで、米調査会社のナビガント・リサーチは9月16日、2030年までに世界全体で電気バス(e-bus)の市場シェアが33%になるとの予測を発表した。バッテリーの値下がり、GHG排出量や環境汚染物質の排出量削減に対するe-bus導入の需要が増すとしている。ナビガントはまた、30年までにe-busの市場占有率が中国で74%、北米・欧州で14%になるとの見通しを示した。