インド=対米エネルギー貿易額が100億ドル、RILがガス生産開始へ
インドのエネルギー開発をめぐる最近の動向を取り上げる。印プラダン石油・天然ガス相は10月末、2019~20年度に対米エネルギー貿易額が100億ドルに達するとの見通しを示した。前年度は約70億ドルだった。米国からの原油、液化天然ガス(LNG)などの輸入増が寄与したようでエネルギー分野で米国との関係構築が進んでいるようだ。10月21日付の『エコノミック・タイムズ』などが報じた。
このほか、インドの内閣は10月末、給油所設置にかかわる規制緩和を承認する方向で調整に入ったと伝わる。燃料小売り事業に国内外からの参入を促すのが狙いとされる。また、モディ印首相は10月初旬、バングラデシュのハシナ首相と会談し、バングラデシュからインドに液化石油ガス(LPG)を輸出することで合意した。
一方、印リライアンス工業(RIL)は10月下旬、ベンガル湾に保有する鉱区で2020年前半に天然ガスの生産活動をスタートすることを明らかにした。生産量を20~22年に日量3,000~3,500万立方メートルと見積もる。RILは英BPとともに、同鉱区の開発に約56億ドルの投資を決定していた。
アブダビ国営石油会社(ADNOC)、世界最大規模の総合化学メーカーであるBASFなど4社は10月18日、インドでの石油化学プロジェクトの事業調査化(FS)を進めることに合意したと発表した。グジャラート州のムンドラにプロパン脱水素(PDH)プラントのほか、ポリプロピレン施設などを建設する予定という。原料として使用されるプロパンはADNOCが供給する。
探鉱関連では、印国営のONGCビデッシュが10月半ば、南米コロンビアで開発する鉱区(深度2,852メートル)で8メートル幅の原油埋蔵層を確認したと発表した。また、ONGCは同時期、ブラジルの深海鉱区(水深2,629メートル)で約40メートルの天然ガス埋蔵層、24メートルの原油埋蔵層をそれぞれ確認したことを明らかにした。
研究開発分野では、既報のように、インド工科大学(IIT)と米エクソンモービルが低エミッション分野の共同研究に合意した。バイオ化学、バイオ燃料、気候変動、天然ガス輸送、天然ガス変換など、幅広い分野が研究対象になるという。