ノルウェー=エキノールが英領北海で生産開始、NPDが掘削を複数認可
今回は、北欧ノルウェーにおける昨年末からのエネルギー開発動向を取り上げる。ノルウェーのエネルギー大手であるエキノールは2019年12月、英国領の北海バーナクル油田で生産を開始したと発表した。最大で日量4,300バレル(原油換算)の生産を計画している。エキノールが19年に英国領海内で生産開始したのは、マリナー油田などに続き、3件目となった。
エキノールはまた、バレンツ海のウィスティング鉱区の開発フェーズのオペレーター権を12月初旬にオーストリアのOMVから取得したという。この鉱区は2013年に発見され、原油埋蔵量は4億4,000万バレルと見込まれる。
このほか、エキノールは12月初旬、同社が米イーグルフォードに所有する石油・ガス権益をスペインのレプソルに売却したことを明らかにした。エキノールは今回、レプソルとの合弁事業(イーグルフォード・ジョイント・ベンチャー)の資産すべてを売却したそうだ。
他方、脱炭素化についてエキノールは1月初旬、ノルウェー沖合の石油・天然ガス田からの温室効果ガス(GHG)排出量削減目標を発表した。それによると、2030年までにGHG排出量を40%、40年までに70%削減し、50年までにほぼゼロとする。30年までのGHG削減量はノルウェー全体の10%に相当し、年間500万トンの削減につながると試算している。
ところで、ノルウェー石油管理局(NPD)は12月初旬、ノルウェー沖合の北海鉱区(ライセンス917)ハッセルバインク井の一部で掘削作業を認可したと発表。ライセンス917の当該井には米コノコフィリップスや加サンコア・エナジーなどが資本参加する。
NPDはこのほか、11月末に独最大の石油・天然ガス会社であるヴィンターシャルのノルウェー子会社にもノルウェー海(894鉱区)での一部井の掘削作業を認可した。894鉱区の権益配分はヴィンターシャルが40%、エキノールが40%などとなっている。
NPDはまた、2019年11月のノルウェーにおける原油生産量が前月比16%増の日量171万1,000バレルだったと発表。ノルウェー南西部に位置するスタヴァンゲルの西方約140キロメートルの北海に位置するヨハン・スヴェルドルップ油田の生産開始が寄与した。他方、天然ガス生産量は前月比10.1%増の日量3億3,320万立方メートルだった。