LPG=中国着相場に変化、米国産カーゴの輸入再開で
液化石油ガス(LPG)の中国着スポット相場に変化が生じている。これまで華東(中国東部)に到着するLPGの価格は華南(中国南部)を上回っていたが、中国が米国産カーゴの輸入を再開したことで、華東着の価格が華南着の価格よりも低く推移し始めた。華東は華南に比べて米国に距離が近いため、米国産カーゴが流入しやすく、運賃の差額に応じて販売価格も安くなるという構図だ。「米国からの運賃差を考慮すれば、華東着相場は華南着相場より現状5~6ドル安い」(欧トレーダー)と市場関係者は指摘する。逆に、中国が米国産カーゴに対して高い関税を掛けていた時期は、中東からの距離が近い華南着相場が華東着相場を下回っていた。リムが評価するプロパンの中国着スポット市況は、2月の平均価格が華東452.56ドル、華南445.89ドルと華東が割高だったが、3月12日時点では華東287.00ドル、華南292.00ドルと格差が逆転している。ただ、サウジアラビアやカタールの中東産ガス社が今週に入り相次いでスポット販売に動き、中東産カーゴの供給も急増したため、「華東安・華南高」の展開が続くかどうかは予断を許さない状況だ。
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