原油・コンデンセート=6月1〜5日:カザフスタン産CPCブレンドが上昇
中東 サウジアラビア国営サウジアラムコが7月積みのOSPフォーミュラを、来週頭にもターム契約者に通知するとの見方が優勢だ。次回OSPについては、前月から引き上げられるとの予想が支配的だが、上げ幅については複数の見方が寄せられた。シンガポールのトレーダーは「6月積みのターム供給の削減が通知されるなど、需給が引き締まっている。また指標となるドバイ原油の絶対値の推移を考慮すると、サウジアラビア産原油の新OSPは5~8ドル引き上げられてもおかしくない」と述べた。一方、北東アジアの需要家は「サウジアラムコは新OSPを少なくとも2ドルは上げるだろう。5~6ドル以上引き上げると、競合する米国産軽質油種がアジア市場に流入してくる可能性がある」と指摘した。前回発表されたALの6月積みOSPフォーミュラは、ドバイとオマーンの平均に対し5.90ドルのディスカウントだった。
アフリカ・欧州・ロシア・アフリカ 8月北東アジア着のカザフスタン産CPCブレンドの市況連動相場は大幅高となった。サウジアラビアなどの中東産原油やロシア産ウラルなどの供給減を受け、CPCブレンドを含む地中海回りの油種のFOB価格が強含んでいる。さらに、カザフスタンから北東アジアまでの船運賃が軟化傾向にあることも、売り手が強気になる一因のようだ。8月北東アジア着のCPCブレンド100万バレルが既報のとおり、CFR韓国ベースでDTDブレントに対して2.00ドル台半ばのプレミアムで売り唱えられていたが、韓国の需要家はこれを受け入れ成約が具現化した。
南方 8月積みのベトナム産原油の商いでは、需要が後退する可能性が高いとの見方が市場関係者から寄せられている。これは、ベトナム国内のビンスン石油精製化学が運営するズンクワット製油所(日量14万8,000バレル)が8月中旬に定期修理入りするためだ。既報のとおり、同製油所の定期修理入りは当初、6月中旬に予定されていたものの、8月中旬に先送りされた。これを背景に、ビンスンが6~7月積みのベトナム産原油の大量購入に動いた結果、「6~7月積みのベトナム産原油の原油相場は支えられていた」(シンガポールのトレーダー)。しかし、8月積みの商いでは、ズンクアット製油所の定修入りに伴い、ビンスンによる購入が減少するとみられ「ベトナム産原油の相場は下支えを失うことになるだろう」(同)。ズンクアット製油所の定修は9月中旬までの約1カ月間とみられている。
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