シンガポール港湾庁(MPA)はこのほど、5月のシンガポール港でのバンカー重油販売量が392万5,000トン(速報値)だったと発表した。前年同月比で2.0%(8万1,500トン)、前月比では4.6%(18万8,700トン)それぞれ減少した。 高硫黄380cst重油は68万5,200トンと前年同月比211万2,300トン、前月比では7,700トンそれぞれ減少した。 硫黄分0.5%・180cstは7万6,600トンと前年同月比3万6,700トン増加した一方、前月比3万4,500トン減少した。硫黄分0.5%・380cstは191万8,900トンと前年同月比189万9,200トン増加したものの、前月比では22万6,900トン減少した。硫黄分0.1%のLSMGOは35万1,400トンと、前年同月比13万9,500トン増加した一方、前月比2万1,200トン減少した。 新型コロナの感染拡大に伴い、海運物流が減り、バンカー重油の販売数量が前年から大幅に減少した。市場関係者によると、自動車専用船やコンテナ船のキャンセルに加え、スポット傭船の大幅な減少でバンカー重油の需要を圧迫した格好。「今まで経験したことのない大規模な需要後退に直面し、為す術がない」との声が聞かれた。 同港における5月の平均VLSFO価格は256.05ドルと、前月の238.95ドルと比べ17.09ドル上昇した(リム情報開発調べ)。原油先物の堅調さに加え、重油マーケットの強さが相場の引き上げ要因という。
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