LPG国際市況=中東積み相場に割高感、8月CPはプロパン380ドルに接近
液化石油ガス(LPG)の国際指標価格であるアラムコCPの8月積み予想値は20日、中東積みスポット玉に対する買い気の回復を背景に、プロパン378ドル、ブタン368ドルまで上方修正された。一方、8月後半から9月前半にかけて日本や中国に到着するLPGのスポット価格を表した極東着相場(Rim Asia Index)は20日時点でプロパン360.50ドル、ブタン355.50ドルで推移している。極東着相場との乖離が大きくなり、「中東産カーゴは割高という認識が広まっている」(欧トレーダー)。
船のフレート(運賃)コストが加算される到着ベースの価格は本来、積みベースの価格を下回るのが通例。しかし、原油の減産に伴ってサウジアラムコのLPG供給が限られるとの観測や、インドなど需要国向けの必要な供給を確保するためにスポット玉を買い付けるプレーヤーが浮上したことで、8月CP予想は上方修正が続いている。これに対して、米国を中心に世界中から売り物が集まってくる極東着相場は上昇を抑えられている格好だ。そのため、現状では「極東着価格-フレート代=中東積み相場」というネットバックの計算式が成り立たなくなっている。
似たような状況は、インドの輸入量が急増した2017年にも見られた。日本や韓国に米国から多数の売り物が流入して極東着相場が下がる一方、中東積み相場は距離の近いインドからの堅調な需要に支えられ、極東着市場との関係性が希薄化した。米国産カーゴの供給が一段と増えた現在は、中東積みと極東着の価格が逆転。アラムコCPリンクで取引されるカーゴに対して、割高感が強まっている状況だ。
一方、クウェート産ガス社や中国輸入業者が中東積みカーゴの販売に動いていることを反映し、「8月CPはもっと下がるべき」との声が極東輸入業者からは上がっている。また、サウジアラムコが先週、8月積みのターム供給数量に対して制限を課さなかったことで、同社の供給余力が回復していると判明。それにも拘らず8月CP予想が上方修正されていることから、「CPは合理的な仕組み(reasonable mechanism)を失っている」(先物ブローカー)という見解も寄せられた。
ただ、欧メジャーの関係者は「中東と極東はあくまで異なる市場なので、需給状況によって価格が違うのは当然」と指摘。事実、足元ではブタン需要の増加が中東積み相場を押し上げ、8月CP予想の上方修正に繋がっている。サウジアラムコは8月CPを7月28日に確定する予定。8月渡し物の商戦は、いよいよ大詰めを迎える。


