シンガポール=6月のバンカー重油販売量、前年同月比2.3%減の382万トン
シンガポール港湾庁(MPA)はこのほど、6月のシンガポール港でのバンカー重油販売量が382万9,000トン(速報値)だったと発表した。前年同月比で2.3%(9万900トン)、前月比では2.4%(9万6,000トン)それぞれ減少した。 高硫黄380cst重油は74万4,700トンと前年同月比203万6,000トン減少したものの、前月比では5万9,600トン増加した。新型コロナの感染拡大で中国を中心に新規スクラバー搭載工事が滞っていたものの、5月半ば以降にスクラバー搭載工事が再開され、新規スクラバー搭載船が増加したことを受けた。 硫黄分0.5%・180cstは4万8,100トンと前年同月比4,500トン増加したが、前月比では2万8,500トン減少した。硫黄分0.5%・380cstは193万400トンと前年同月比190万5,700トン、前月比では1万1,500トンそれぞれ増加した。硫黄分0.1%のLSMGOは25万4,000トンと、前年同月比2万3,200トン増加したが、前月比では9万7,400トン減少した。 市場関係者によると海上物流の低迷が底打ちし、VLSFOの需要がやや回復傾向にあるようだ。4~6月は船会社が長期契約で多めに燃料油を調達していたため、新型コロナの感染拡大後、スポット傭船の需要が大幅に減少。長期契約で多めに引き取ったバンカー燃料油が、消費されにくい状況が続いていた。 同港における6月の平均VLSFO価格は310.27ドルと、前月の254.55ドルと比べ55.73ドル上昇した(リム情報開発調べ)。世界のバンカーマーケットがコンタンゴ(期先高)に推移し、6月後半渡しのVLSFO価格が上昇し、これが平均価格を押し上げた格好。
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