シンガポール港湾庁(MPA)はこのほど、12月のシンガポール港でのバンカー重油販売量が428万9,600トン(速報値)だったと発表した。前年同月比3.9％(17万6,100トン)減少した一方、前月比では0.6％(2万7,100トン)増加した。2020年の総販売数量は4,983万3,000トンと前年の4,746万3,500トンと比べ約236万9,507トン増加した。
　12月の高硫黄380cst重油販売量は94万3,300トンと前年同月比22万700トン、前月比では5万1,900トンそれぞれ減少した。
　硫黄分0.5%・180cstは22万100トンと前年同月比15万8,200トン減少した。一方、前月と比べ3万4,200トン増加した。硫黄分0.5%・380cstは210万4,800トンと前年同月比14万7,200トン減少した一方、前月比では6万600トン増加した。また、硫黄分0.1%のLSMGOは29万5,100トンと、前年同月比11万2,200トン、前月比では2万9,400トンそれぞれ減少した。
　石油製品の精製マージンの低迷を受け、世界各国の石油会社が減産を続けている。欧米からアジア向けのカーゴが減り、高硫黄重油、VLSFOおよびその基材の需給は逼迫した。一方、中国や韓国系の供給会社は、内需の弱さを受けて石油製品をシンガポールなどへ輸出。この結果、クリスマス休暇前を前に、供給が安定しているシンガポールに買いが集中し、販売数量が伸びたとの見方が聞かれた。
　リム情報開発の調べでは、同港での12月の平均VLSFO価格は390.15ドルと、前月の350.83ドルと比べ39.32ドル上昇した。