スエズ運河=大型コンテナ船座礁、船舶航行に支障
エジプト現地時間23日、スエズ運河で台湾の船会社エバーグリーンが運航する大型コンテナ船「Ever Given」が座礁した。中国からロッテルダムへ航行中だった。現時点でも同運河は船舶の航行ができなくなっている。海上航路の大動脈であるスエズ運河の通航遮断は、世界の物流に大きな影響を与えかねない。いまのところ燃料油の流出や人命に関わる影響は報告されていない。
同船は全長400メートル、総重量約20万トン。市場関係者によると、タンクから燃料油を抜き取り(デバンカリング)、総重量を減らし、満潮時にタグボートで水深の深い場所に移動する計画という。通航できなくなった船舶は、再開まで待機を余儀なくされている。遮断解消まで少なくとも数日を要するとの情報があり、待機期間によっては、アフリカ最南端の喜望峰を経由する航路も選択肢として残されている。ただし、傭船料の高騰につながることから、「現実的ではない」(市場関係者)との見方が強い。
通航遮断が長期化すれば、欧州とアジアを結ぶコンテナ船の逼迫が長期化し、LPG、LNG、石油製品の輸送にも影響が出そうだ。
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