バイオバンカー市況=堅調な需要でロッテルダムは上昇、VLSFO安でシンガポールは下落
バイオ混合率最大25%のVLSFO価格の気配値はロッテルダム渡しで1,000.00~1,150.00ドルという。2023年に向けた温室効果ガス削減規制の強化を背景に、多くの船会社がバイオバンカーを調達し、需要が高まっているという。原油先物およびバンカー油価格が下落基調にあるものの、ロッテルダム渡しのバイオVLSFO価格は先週と比べて小幅に上昇した。2023年以降、ロッテルダム港を含む欧州全体の油種ごとのバンカー販売割合は石油由来のバンカー油が75%、LNGバンカリング、バイオバンカーなどを含む将来燃料が25%と試算されているようだ。22年下半期から続く、燃料転換の勢いがさらに増し将来燃料の需要が高まるもよう。
一方、バイオ混合率最大25%のVLSFO価格の気配値はシンガポール渡しで1,010.00~1,160.00ドル程度という。廃食油(UCO)価格(UCOを原料としたFAME:脂肪酸メチルエステル《UCOME》を含む)、は堅調に推移しているものの、原油先物とバンカー油価格の急落を背景に相場は先週と比べ下落した。もっとも、ブローカーによるとバイオマス燃料の供給懸念は後退しないため、バイオバンカー価格は足元のLSMGO価格より小幅に高い水準で推移するとの見方を示した。廃食油の最大生産国の中国は、自国で廃食油の地産地消を促すため率先して輸出することはない見通しだ。バイオマス燃料への需給逼迫感が相場を下支えている。
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