LNG=北東アジア着相場が20ドルに接近、中東からの輸出停滞で
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米国とイランがともにホルムズ海峡を再封鎖し、中東からのエネルギー供給が依然として滞るなか、北東アジアに到着するLNGのスポット相場は再び百万英国熱量(mmBtu)あたり20.00ドルに接近してきた。15日時点の8月後半着相場は19.65ドル前後まで上昇。米国とイランが6月17日に停戦の覚書(MOU)を交わした後の水準から28%急伸した。 国営カタールエナジーは6月中旬、イランからの攻撃で損害を受けた液化系列2基を除き、1カ月以内にLNGの生産を回復する計画を立てていた。しかし、今月7日にカタール船籍のQ-Flex型「Al Rekayyat」号(容量21万6,200立方メートル)がホルムズ海峡でイランに攻撃され、カタールおよびアラブ首長国連邦(UAE)からのLNG出荷は再び中断。欧データ分析大手ケプラーの片山剛プリンシパルアナリストは、カタールの生産が10月以降に再開されるとの見通しを示しつつ、「このシナリオどおりにならなければ、北東アジア着相場は20ドルを超える可能性がある」との見解を寄せた。欧州で天然ガスの在庫充填ペースが例年より遅く、アジア需要家とのスポット争奪戦に発展しかねない点も気掛かりだ。 7月半ばを迎え、スポット商談の中心は需要期を過ぎる9月着以降に移りつつある。8月着の商戦では、北東アジアの輸入業者に対してターム供給契約を抱えるトレーダーやポートフォリオプレーヤーが積極的にスポット市場での買い戻しを進めてきた。中東産LNGの供給回復に見通しが立たないなか、9月着市場でも同様の動きが見られれば、相場の上昇基調は強まりそうだ。 一方、中国や日本の輸入業者がLNGの「爆買い」に走る気配はない。中国需要家やLNG取引の仲介業者によると、LNGの輸入が世界で最も多い中国は今冬に備えてスポット調達量を増やしてはいるものの、「緊急性のある買い付けは見られない」(ブローカー)という。さらに、流氷がない夏の間は露アークティック2プロジェクト(年産最大1,980万トン)出しのLNGが北海経由の東回り航路で中国へ頻繁に流入すると見込まれ、「北東アジア着相場の上昇を抑える要因になる」(同)。 日本の発電用LNG在庫も7月12日時点で今年最高の242万トンまで積み上がった。今後は気温の上昇と冷房用需要の増加に伴い、発電所にため込んだLNG在庫は消化されていく見通しだが、「日本の大手電力会社は猛暑に対応するため、夏場に日本へ到着するLNGをすでに確保している。むしろ余った際にLNGを転売する戦略だろう。そうなると上昇基調が続くとは言い切れない」(アジアトレーダー)。このため、中東情勢に基づく地政学リスクが剥落すれば、相場は急反落する可能性もはらんでいる。
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