海外=BTGが低炭素船舶燃料プラント建設へ、ゲーボがSASに燃料供給
オランダのバイオマス処理技術企業であるBTGと、船舶向けバイオ燃料会社のグッドフューエルズは11月17日、低炭素船舶燃料で新会社「BTG-neXt」の設立を計画していることを明らかにした。熱分解油を原料とする持続可能な船舶用ディーゼルを製造するパイロットプラント(生産能力は年間1,000トン)を建設し、事業化調査(FS)を進める予定だ。
バイオ燃料会社の米ゲーボは11月14日、航空会社のスカンジナビアン・エアライン・システム(SAS)に米国でサステナブル航空燃料を供給することに合意したと発表した。ゲーボはミネソタ州のルバーンにあるプラントから燃料を供給する。
一方、米国のPOET-DSMアドバンスト・バイオフューエルズは11月19日、プロジェクト・リバティでのセルロース系エタノール生産を中止すると発表。米環境保護局(EPA)が、再生可能エネルギー基準(RFS)政策を変更したことが主因で、POET-DSMは今後、研究・開発(R&D)事業に集中するという。設備の信頼性、プロセスの効率向上と、穀物残渣やバイオマスからの低炭素エタノールに適した国々へのライセンス供与を進める計画だ。POET-DSMはオランダと米国の合弁企業(JV)。
また、クリーンエネルギー会社のヘリオジェンは11月19日、太陽光の集光によって摂氏1,000度超の高熱を発生させる太陽光エネルギーシステム設備を開発したと発表した。ヘリオジェンはセメント・製鉄・石油化学分野で化石燃料からの代替が可能で、温室効果ガス(GHG)排出量の削減に寄与すると強調している。
このほか、スペインのアクシオナが、パラグアイに先進バイオ燃料プラント「オメガ・グリーン」を建設することに合意したようだ。プラントは首都アスンシオンから約45キロメートル離れたビジェータに建設される。水素化処理植物油(HVO)、バイオ灯油、ジェット燃料などを生産するとしている。ブラジルの投資会社ECBグループが11月末、この計画について報告した。
ところで、米国エネルギー省(DOE)のデータによると、2019年モデルの軽量自動車(LDV)の年間燃料コストについて、電気自動車(EV)は500~900ドルで、最低となった。その次はプラグインハイブリッド車(PHEV)。在来型のガソリン車は1,000ドルから4,100ドルだった。DOEが11月25日、発表した。