海外=MSCがロッテルダム港にバイオ燃料給油へ、KLMがSAFを購入へ
大手コンテナ船会社であるメディタラニアン・シッピング・カンパニー(MSC)は12月7日、オランダのロッテルダム港でバイオ燃料を定期的に給油する計画を発表した。MSCはこれまで、バイオ燃料を10%配合した燃料を試験用に使用していたが、今後は配合率を30%に増やし、二酸化炭素(CO2)排出量の削減効果を向上させることを目指すとしている。
一方、オランダのKLMロイヤル・ダッチ航空は12月10日、フィンランドのネステからサステナブル航空燃料(SAF)を購入する計画であると発表した。アムステルダムのスキポール空港で給油する予定で、SAFの原料は廃食油。KLMはパートナー企業とともにオランダのデルフセイルにSAFプラント(年間生産能力は7.5万トン)の建設プロジェクトを進めている。2022年の稼働予定だ。
また、カナダの水力発電会社であるハイドロ・ケベックは12月5日、マーケットで競争力のある価格で電力提供することに加え、水の電気分解で生産するグリーン水素の開発事業に力を入れる方針を公表した。ハイドロ・ケベックは現在、約60カ所で水力発電プラントを操業しているという。
インドネシアでは、ルフット・ビンサル・パンジャイタン海洋担当調整相が12月10日、ディーゼルに含まれるバイオ燃料(パーム油)の配合率を増加する方針を表明した。2020年に、現行のB20(バイオディーゼル配合率20%)からB30を導入する。さらには、2021年にB40に引き上げることを検討している。パーム油の供給能力から判断すると、B50が上限になるという。
このほか、米国エネルギー情報局(EIA)は12月9日、2019年9月末時点の米国の陸上風力発電の設計発電能力が100ギガワット(GW)を上回ったと発表。EIAによると、全設備の半分は2012年以降に設置されたが、最も古い風力発電設備は1975年から稼働している。
EIAはまた、米国東部州の地域温室効果ガスイニシアティブ(RGGI)における2019年12月4日の二酸化炭素(CO2)排出権取引価格が5.61ドル/トンで、取引量は1,310万トンであったことを公表した。18年12月の5.35ドル/トンに比べ、5%上昇したという。排出権価格は17年以降、上昇傾向にある。