双日=スペインの電力小売に進出―現地企業に出資
双日は13日、スペインの電力ガス小売大手のネクサス・エネルジアに出資し、日本企業として初めてスペインの電力小売事業に参入すると発表した。双日が国内外で蓄積した再生可能エネルギー発電事業の開発や運営の知見と、ネクサスの持つスペイン国内の顧客網や販売ネットワーク、事業基盤を組み合わせて事業を展開する。双日はネクサスの第三者割当増資を双日欧州を通じて引き受け、筆頭株主となった。双日は欧州で電力小売の経験を積んだあとに、日本や東南アジアでの事業も将来的に見据える。
ネクサスの電力、再エネ由来100% 2000年創業のネクサスはバルセロナを拠点とし、スペインとポルトガル、メキシコの3カ国で電力の小売事業を運営。従業員は2020年12月現在、関連会社を含め191人。スペインでは旧国営電力会社5社を除く電力小売企業の中で、年間の電力販売量で上位5社の一角に入る。2020年の電力販売量は3.8TWh(38億kWh)。供給する電力は、再エネ由来が100%。官公庁や中小企業向け電力小売に強みがあり、過去3年にわたり毎年20%超のペースで売上が拡大しているという。 双日の説明によると、スペインでは中小企業や公共機関などが電力の調達先を旧国営電力から 100%再エネ由来の電力などといった独自のサービスを提供する新電力会社に切り替える傾向が顕著とされている。スペインは日射や風況が良好であるうえに、近年のコスト低下や政府の政策により、再エネ由来が既に化石燃料由来をしのぎ、最も価格競争力を持つ電源となっている。
「EaaS」事業も取り扱い 双日はスペインでネクサスの電力小売、電力使用の最適化・省エネサービスに加え、「エネルギー・アズ・ア・サービス(EaaS)」、「バッテリー・アズ・ア・サービス(BaaS)」といった製品と関連サービスを一体化させた事業も手掛けるという。EaaSは電気やガスを他のサービスと組み合わせて提供する事業で、BaaSが蓄電池をリースやシェアリングなどのサービスで提供する事業。EaaSとBaaSの事業として、屋根置き型の太陽光発電と電気自動車(EV)、関連の周辺インフラ、蓄電システムに関係するサービスを提供する。
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