IHI= CO2再利用のオレフィン製造研究をNEDOが委託事業に採択
IHIは11日、二酸化炭素(CO2)を再利用して低級オレフィン(*)を製造する工程などの研究が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業として採択されたと発表した。IHIでは排ガスや大気から回収したCO2と水素を使い、反応器と触媒によってオレフィンを合成する技術を開発中。技術が確立されれば、カーボンリサイクル(炭素再利用)に加えて、プラスチック製造時などで排出されるCO2の低減も可能になるという。委託事業の実施期間は今年度から2026年2月まで。
2024年度から製造試験の実施へ IHIによると同社はこれまでにシンガポール科学技術庁の傘下にある化学工学研究所(ICES)との共同で触媒を開発し、効率的なオレフィン製造が可能であることを実験で確認済み。委託事業では開発した触媒を基にさらに高性能な触媒の開発に取り組む。同時に、石油化学用の反応器設計の技術を生かし、反応時の発熱を制御し、効率的・安定的にオレフィンを製造できる反応器の開発も手掛ける。 さらに、石油化学プラントの敷地内にCO2回収装置と低級オレフィン製造装置を設置し、排ガスから実際に回収したCO2とプラント内の副生水素を用いた製造試験を2024年度から実施する計画。試験で製造した低級オレフィンと、既設プラントで製造された低級オレフィンとの比較・互換性評価などを行い、既設プラントとの統合条件も検討するという。 * 基礎化学品の原料であるエチレン,プロピレン,ブテンなどといったプラスチックや樹脂の原材料
供給網のイメージ図 図の出所: IHI 記者発表
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