欧州委員会は8日、イタリアのバイオメタン生産計画に対する資金援助を承認した。欧州連合(EU)の国家援助規則に基づく決定で、援助資金は新型コロナで減速した経済を立て直すことを目的とする復興基金(RRF)から拠出する。規模は45億ユーロ(約6,260億円)。　

バイオメタン生産のプラント建設・改修用の助成資金が17億ユーロ。助成金は対象プラントの完成時に支給される。プロジェクトごとの援助額は、対象となる投資額の最大40%。

さらに欧州委は、バイオメタンの生産段階で15年間に28億ユーロをインセンティブ料金(補助金)として提供する。インセンティブ料金は生産されるバイオメタンと市場のガス価格の差額を穴埋めするもので、月単位の支給形態。ただし、ガス価格が高騰した場合、インセンティブ料金を超過する部分については、イタリア側が払い戻す仕組み(クローバックメカニズム)も採用した。

欧州委は記者発表文で、伊のバイオメタン利用の促進により、ロシアの化石燃料に対する依存を減らし、脱炭素経済への移行を早めるための政策(リパワーEU計画)にも貢献する、との見解を示した。