政府=保有Jクレジットを東証の実証取引で販売へ、計58万トン
政府は保有するJクレジット(*)を東京証券取引の実証取引を通じて販売する。東証の9日の公表によると、11月16日から実証最終日である来年1月31日までの期間中、政府が複数回に分けて保有クレジットの売りを発注する予定という。販売の予定量は「再生可能エネルギー発電」由来のクレジットが約32万トン、「省エネルギー他」が約26万トンの合計58万トン。 東証での売買区分は、再エネ発電が再エネ(方法論:指定なし)、省エネ他が省エネ(指定なし)。クレジットの内容は、再エネが「個人向けの太陽光発電設備補助事業で創出された再エネ発電起源のクレジット」、省エネが「個人向けのコジェネレーション(熱電併給)設備・電気自動車の補助事業で創出された省エネ起源のクレジット、その他」。複数種類のプロジェクトを含む省エネは、買い注文を入れる際、種類の特定が認められない。 政府保有Jクレジットの販売への参加は、Jクレジットの保有口座の開設と東証の実証参加者の登録が必須。 東証の実証取引での直近の水準は、再エネ(指定なし)が4日約定の1,750円(二酸化炭素1トンあたり)、省エネ(指定なし)が10月21日に付けた800円。 一方、政府は通常、保有のJクレジットを入札により販売する。2016年導入の入札販売は、今年4月までに計13回。相対市場の参加者は入札結果の落札平均価格を取引の指標として利用する。第13回の入札販売の落札平均は、再エネ発電が3,278円、省エネ他が1,607円。販売量はそれぞれ20万トン、10万トンだった。
*: Jクレジット制度は、再エネの活用や省エネ設備の導入による二酸化炭素(CO2)の削減量や、森林管理による温室効果ガスの吸収量をクレジットとして国が認証する制度。経済産業省と環境省、農林水産省の3省が共管する。認証を受けたクレジットは、売買することが可能なほか、低炭素社会実行計画の目標達成や、CO2排出のオフセット(相殺)など、さまざまな用途への活用が可能。一方、クレジット代金は、クレジットの創出者に還元され、新たな温室効果ガス削減の取り組みなどに活かすことができる
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