味の素・明治G=酪農と乳業の温室効果ガス削減、事業構築で協業
味の素と明治グループは、酪農と乳業の温室効果ガス(GHG)排出を削減する事業モデルの構築に向けた協業を開始した。二酸化炭素(CO2)などGHGの削減量を国が認証する「Jクレジット制度」を活用する。 協業では明治グループと提携する北海道の酪農家が、味の素の乳牛用アミノ酸リジン製剤を用いGHG排出量を削減する。明治Gが製剤を味の素から購入し、酪農家に提供。製剤の利用により酪農家は、飼育牛の乳量を維持しながら飼料コストを下げ、同時に、糞尿から発生する窒素を削減し、GHGのひとつである一酸化二窒素(N2O)を減らすことが可能となるという。削減したN2Oを基に味の素がJクレジットを創出し、明治Gが購入する。明治GはJクレジットの購入代金を酪農家に支払う。一方、明治Gは購入したJクレジットで自社のGHG排出の相殺が可能。 味の素はJクレジット制度を活用するため、認証委員会にプロジェクトの登録を申請し、3月15日に承認を受けた。認証されたプロジェクトは、「牛・豚・ブロイラーへのアミノ酸バランス改善飼料の給餌」で、実施地域は全国を予定。GHGの排出削減・吸収量は、CO2換算で8万5,864トンを見込む。環境省の資料によると、N20の温室効果はCO2の298倍とされる。 味の素と明治Gは今後、事業対象の酪農家の拡大を図る。味の素は事業モデルの肉牛での展開や、海外での実施も検討する予定。
(酪農と乳業のGHG削減・Jクレジット活用の事業モデル) 図の出所: 味の素、明治 記者発表(3月27日)
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