北電= 脱炭素の取り組みで国交省と連携強化へ、北海道の港湾を活用
北海道電力は北海道の脱炭素化を目指し、港湾を利用した取り組みについて国土交通省と連携を強化する。「ブルーカーボン」を利用した港湾での二酸化炭素(CO2)の吸収や、脱炭素の燃料として期待される水素とアンモニアの利用拡大を図るため港湾の大型船受け入れについて、共同で検討し情報を交換する計画。同社は国交省の北海道開発局と協力協定を28日に締結するという。 ブルーカーボンは、光合成などにより、藻場を含む海洋生態系に取り込まれた炭素で、CO2の吸収源として注目されている。これまでに北電は苫小牧港で、木質バイオマス発電所などで発生する燃焼灰を利用した藻場の造成を実験。一方、北海道開発局は釧路港で、浚渫土の活用による藻場形成の技術開発と、CO2吸収量の算出を実施した。両者のデータやノウハウの蓄積に基づき、ブルーカーボンの効率的な利用を検討する。 水素は液化天然ガス(LNG)火力発電、アンモニアは石炭火力発電にそれぞれ混焼することでCO2削減が見込まれる。北電と北海道開発局は、火力発電所がある港湾の水素とアンモニアの受け入れや需要について、情報交換などを行う。北電は2022年度、エネルギー・金属鉱物資源機構の支援事業で苫東厚真発電所を対象にアンモニア供給網の事業化調査を実施した。石炭を主燃料とする同発電所は苫小牧港が最寄り。このほか、北電は石狩湾新港の西地区でLNG火力発電所を運用する。
(北電の火力発電所と港湾) 図の出所: 国交省北海道開発局、北電 記者発表資料(リム情報開発により一部加工)
|