米サミット・アグリカルチュラル=低炭素ジェット燃料、製造会社設立
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農業経営・投資を手掛ける米サミット・アグリカルチュラルグループは、低炭素の航空機燃料を製造するため子会社を設立した。ハネウェルから技術提供を受け、エタノールを持続可能な航空機燃料(SAF)に転換する計画。 15日のサミット・アグリGの発表によると、世界の航空機(ジェット)燃料需要は現在、年間 1,000億ガロン(約3,800億リットル)超だが、乗客数の増加により今後20年間で2倍になる見込み。世界的な脱炭素の流れ中で、SAFの重要性は高まるものの、現在の主原料である植物油、動物性脂肪、廃油は供給不足が課題とされる。 サミット・アグリGは、供給不足を克服する手段としてエタノールをジェット燃料に転換するETJ(Ethanol to JET)技術が有望とみる。発表文で、グループ企業サミット・AG・インベストターズのジャスティン・キルヒホフ社長は、「ETJはエタノール業界にとって次に進むべき道。生産規模やコスト、二酸化炭素(CO2)の排出量はSAF産業にとって最も重要な要素であり、既存のSAF原料と比較してエタノールには大きな利点がある」との見解を示した。 日本では、経済産業省が昨年1月、「CO2等を用いた燃料製造技術開発」の計画を策定し、エタノールからSAFを製造するATJ(Alcohol to JET)技術の目標を盛り込んだ。数十万キロリットルの生産規模を確立するため、2030年までに航空機に搭載し、液体燃料として50%以上の収率と、1リットルあたり100円台の製造コストを目指す。
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