住友林業=10社参加の森林ファンド設立、600億円を15年間運用
住友林業は10日、米国で森林ファンドを6月に設立し、運用を開始したと発表した。同社グループのほかに日本企業9社も参加する。資産規模は約600億円(4億1,500万米ドル)。15年間のファンド運用を通じ年平均100万トン程度の二酸化炭素(CO2)を吸収し、カーボンクレジット(炭素クレジット)も創出する計画。出資金をもとに今後2027年までに北米を中心に約13万ヘクタールの森林を購入し、管理する。 森林ファンドを運用し管理するのは、住友林の傘下の米イーストウッドフォレスト(Eastwood Forests)。森林の状況に応じて再植林や保全などの方法論を選択し、CO2吸収や炭素固定機能を高め、炭素クレジットを創出するという。加えて、有望な後継樹を残して森林の植生回復を促し、さまざまな樹種や樹齢の木々で構成される階層構造の森林を形成する「森林改善(IFM:Improved Forest Management」という方法論によるクレジット創出も検討する。日本側からは住友林の100%子会社であるSFCアセットマネジメントが出資企業との意思疎通などでファンドを支援する。 ファンド運用では、森林管理を通じ多様な生物が生息できる環境を提供することも視野に置く。持続可能な森林経営の国際的基準であるFSC(Forest Stewardship Council)などの森林認証制度の基準に従い、「高い保護価値のある森林(High Conservation Value Forest:生物多様性が高い地域や種の絶滅危機にある生息地などの保護すべき価値の高い森林)」を保全する考え。 森林ファンドに参画する住友林以外の9社は、ENEOS、大阪ガス、東京センチュリー、日本郵政、日本郵船、芙蓉総合リース、三井住友銀行、三井住友信託銀行、ユニ・チャーム。
(ファンド運用のイメージ) 図の出所: 住友林業など10社とSFCアセットマネジメント 発表資料
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