双日=「ターコイズ水素」製造の北欧企業に出資、20年台後半に事業化へ
双日は、環境配慮型の「ターコイズ水素」の製造技術を開発するハイカマイトTCDテクノロジーズに出資した。双日はフィンランドの企業であるハイカマイトが持つ技術の日本国内での独占的実施権を獲得した。ターコイズ水素は、天然ガスやバイオガスの主成分であるメタンの熱分解により生成され、製造時に二酸化炭素(CO2)が発生しないという。双日は今後、ハイカマイトと協力して商業規模のプロジェクトの組成を推進し、2020年代後半での事業構築を目指す。想定する商業プラントは水素換算で年産数万トン規模。 ハイカマイトは今回、第三者割当増資により、双日やフィンランドの政府系ファンドなどから合計2,500万ユーロ(約39億円)を調達した。ハイカマイトは調達資金をもとに、年産2,000トン(1時間あたり約2,880ノルマル立法メートル)のターコイズ水素を製造する模擬的なプラントをフィンランド中部のコッコラ工業団地に建設し、2024年中ごろに稼働を開始する予定。 ハイカマイトが独自に開発した触媒技術により、電気分解による水素製造プロセスの13%の電力消費量で水素を製造することが可能で、カーボンナノチューブといった付加価値の高い固体炭素製品を併産するという。日本政府が民間に委託した調査の報告書によると、ドイツ政府が2020年に発表した国家水素戦略では、ターコイズ水素は、製造過程で生じる固体炭素がCO2として大気中に排出されない場合、カーボンニュートラル(炭素中立)として認められる。
(ハイカマイトのターコイズ水素・製造工程) 図の出所: 双日 発表資料
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