インターステラT=牛糞由来の液化バイオメタン、ロケット燃料に選定
ロケット開発のインターステラテクノロジズ(北海道大樹町)は、北海道十勝地方の未利用バイオマスである家畜糞尿から製造した液化バイオメタン(LBM)を、超小型の人工衛星打上げロケット「ZERO」の燃料として使用する。21日の発表によると、インターステラはエア・ウォーター北海道からLBMの供給を受け、今秋にも大樹町にある宇宙港「北海道スペースポート(HOSPO)」の敷地内でエンジン燃焼器の単体試験を実施する予定。 今回の試験で使用するLBMは、バイオガスの主成分であるメタンを分離・精製し、マイナス160度程度で液化する。純度は、ロケット燃料に使用される従来のメタンと同程度の99%以上。液化メタンは価格や燃料としての性能、扱いやすさ、入手性、環境性などが優れているため、米国のスペースXの大型ロケット「スターシップ」をはじめとして、近年、燃料として採用するロケット企業が世界的に増えているという。 環境省の報告書(2023年)によると、2021年度の日本のメタン排出量は二酸化炭素(CO2)換算で2,740万トンと、温室効果ガス総排出量の2.3%を占め、前年度と比べ0.04%減少した。2021年度のメタン排出量の内訳は、稲作からの排出が44%と最も多く、家畜の消化管内発酵(げっぷ)に伴う排出が28%、家畜排せつ物管理に伴う排出が9%で続く。家畜排せつ物の管理に伴うメタンの排出量はCO2換算で、2016年度が238万2,000トンだったが、その後、上昇傾向をたどり、2021年度が245万8,000トンと2013年度(246万7,000トン)以来の水準に達した。
(牛糞由来メタンの活用) 図の出所: インターステラテクノロジズ (21日)発表資料
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