INPEX=再生可能ディーゼルを使用した長野初のゼロカーボンバスが走行
INPEXはヤマサと1日、アルピコ交通の協力の元、環境省が推進する「ゼロカーボンパーク」の登録第1号である乗鞍高原から乗鞍岳畳平までの公道において、リニューアブルディーゼル※(RD)を燃料としたバスのトライアルドライブを共同で実施したと通知した。RDを使用したバスのトライアル運行は、長野県内では初の試み。
RDは、再生可能資源由来のディーゼル燃料。食品競合の無い廃食油や動物油等を原料として製造され、ライフサイクルアセスメントベースでの温室効果ガス(GHG)排出量が、石油由来軽油比約90%の削減を実現する。RDは主に輸送用トラック・バス等で使用され、ドロップイン燃料として、既存の車両/給油関連施設を傷めることなくそのままに利用開始することが可能だと、INPEX広報は伝えている。すでに欧米を中心に広く流通実績もあり、脱炭素施策に係る導入コストを最小限に抑え、GHG排出量削減にも大きく貢献できる次世代リニューアブル燃料として、今後も新たな導入検討を進めるという。なお、INPEXは昨年から、RDの原油輸送トラックでの利用や関西地域での導入を始めている。
一方、RDは現状、全て輸入に依存しており、調達コストは既存ディーゼルの約3~4倍程度に上る。今後、国内生産の実現や政府・自治体による補助金などの助成があれば、RDのコストも低減していく見込み(同)だとしている。
今後も3社は共同してこの地域のゼロカーボンの取り組みを検討し、同地域での脱炭素化を牽引していくことを目指していくという。
※今回使用するRDはINPEXと協業体制を構築する伊藤忠商事が、世界最大のリニューアブル燃料メーカーであるNeste OYJから調達し、伊藤忠エネクスがINPEXに供給するもの。