トヨタ自動車はこのほど、米カリフォルニア州ロングビーチ港の物流拠点に再生可能エネルギー由来の水素を製造する施設を建設した。製造した水素を燃料電池車であるMIRAI(ミライ)へ供給する。生産能力は、1日あたり約1.2トンと約200台のミライを満タンにすることが可能な規模。
7日の発表によると、施設は2.3MW(2,300kW)の発電が可能な燃料電池(FC)発電所と、充填設備を持つ水素ステーションで構成。畜産場の家畜排泄物や余剰食品などといったバイオマス(生物資源)から水素を取り出し、燃料電池を用いて発電する。施設を運営するフューエル・セル・エナジー(FuelCell Energy)が、再エネから水素と電気、水を生成し、契約に基づきトヨタの北米法人に20年間、販売する。
施設の運用により、発電に由来する物質の削減量は二酸化炭素(CO2)が年間9,000トン以上、窒素酸化物(NOx)が6トン以上をそれぞれ見込む。港湾業務で燃料電池トラックを使用すれば、年間42万ガロン(約159万リットル)以上のディーゼル燃料を削減できる可能性もあるという。トヨタの北米法人で使用されなかった余剰電力は、加州の買取制度に基づき地元電力会社に供給する計画。生成量が1日あたり1,400ガロン(約5,300リットル)の水は、ロングビーチ港から販売店に配送する車両の洗車作業で活用し、年間50万ガロン(約190万リットル)の水道水を節約する。

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