環境省=海洋生態系によるCO2吸収「ブルーカーボン」、 重点調査実施へ
環境省は、海藻など海洋生態系を活用した二酸化炭素(CO2)の吸収・固定(ブルーカーボン)の取組を進めるため重点調査を実施する。7日の発表によると、今年度の調査地として青森県風間浦村、静岡県熱海市、福岡県宗像市を選定した。自治体、漁業関係者、民間企業などと協力しながら、地域のニーズに沿った海藻を試験的に栽培し、関連データを取得する。これまでの予備調査や関係者との協議などを踏まえ、今月ごろから本格的な調査と検討を開始する予定。 風間浦村では藻場の回復方法に関する調査を実施する。海藻の種類別分布や海底の表層土の状態、ウニ類など食害生物が検討項目。藻場のモニタリング、管理手法については地元関係者との意見交換を交え調査する。吸収・固定したCO2を取り引きできる炭素クレジット「Jブルークレジット」など海から取得できる付加価値についても検討する。 熱海市の取組は、熱海港内でのカジメ藻場の創出。一部のカジメを採取し、バイオ燃料化に向けた実証も行う。港内のカジメ藻場の状態の確認や各種データの取得、水中カメラによる食害の調査も行う。 宗像市の試験対象は、「ひじき」と「もずく」。増殖を行い、生育状況、食害の発生などについてデータを収集する予定。衛星画像なども利用し藻場の分布図を作成するほか海藻の総量の推計手順、課題などを整理する。その上で、藻場のモニタリングと管理手法を検討する計画。
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