兼松=メタン削減資材で畜産品の環境負荷軽減、欧州企業と協業を開始
兼松は畜産品の環境負荷を軽減する取組で欧州企業と協業を開始した。牛の消化官由来のメタン(呼気・げっぷ)を削減する飼料添加物を活用する。協業先のDSMフェルミニッヒが飼料添加物を提供する。7月31日の発表によると、両社は飼料添加物を生産者に供給してメタンガス削減の実績を環境価値化し、生産された畜産品と環境価値をセットで食品の小売や製造、外食企業に販売する計画。これにより小売など供給網の川下の企業は、自社事業に関連して他社が排出した温室効果ガスの排出量(スコープ3)を削減できる。 DSMフェルミニッヒの飼料添加物「ボベアー」は、牛1頭に1日小さじ4分の1を与えることで、消化管由来メタン排出量を乳牛で平均30%、肉牛で平均45%、それぞれ削減できることが確認されているという。これまでに欧州、米国、南米、豪州の農場で導入されてきた。日本では現在、政府が温室効果ガスの削減・吸収量を認証する「Jクレジット制度」の方法論として登録の準備を進めている。 日本の農林水産分野の温室効果ガス排出は二酸化炭素(CO2)換算で4,790万トン(2022年度)。このうち、メタンが2,449万トンと農林水産分野の51.1%占める。家畜の呼気によるメタン排出量は866万トンと稲作の1,307万トンの稲作に次いで多い。
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