三和エナジー=廃食油を原料とするバイオ燃料生産量1万トン超えへ
三和エナジーは9月17日~19日まで千葉、幕張メッセで行われた「第24回スマートエネルギーWEEK【秋】」に出展し、廃食油を原料とするバイオディーゼル燃料(FAME)の生産方法や導入事例を展示した。
同社は、2024年2月から稼働している埼玉県狭山市でのバイオプラントで、軽油に5%のバイオ燃料を混合した「B5」換算で月4,300キロリットルを生産。2026年1月開所予定の岸和田バイオプラントでは月7,300キロリットルの生産が可能で、1万トンを超える国内生産を目指す。
同社によれば、バイオ燃料の価格はB5軽油で1リットルあたり、通常の軽油よりも20~30円高く設定されているが、置き換えることで二酸化炭素(CO2)削減が認められるメリットがある。B5軽油では1リットルあたりCO2換算で約0.13キログラムのCO2が削減される。現在、B5軽油は通常の軽油として公道で使用可能だが、B30やB100は使用条件に制限があるものの、よりCO2が削減できるため需要家からのニーズの高さを感じるという。
重油に混合したバイオA重油は、B5~24重油が船舶やボイラー向けに生産されており、今後はB29重油の生産が予定されている。同社では、岸和田工場で生産されたバイオ燃料は、船舶向けに販路を拡充していく方針だ。また、2025年1月に発表された東亜建設工業との共同事業として、横浜市の湾岸区域におけるB100(FAME)の生産や重油へのブレンド設備、海上出荷設備の取り組みが、2026年度の供給開始に向けて進められている。
新狭山プラントの模型。廃食油の回収からFAMEの生産、供給までできるのが強み
回収した廃食油の約8割をB100に精製できる
バイオ燃料対応の車両や発電機を展示
|