矢崎総業=竹由来のプラ添加材を開発、CO2半減しつつ性能向上
矢崎総業(東京都港区)は10日、米国子会社を通じて、竹が原料の植物性フィラー(充填剤)を用いたポリプロピレン(PP)複合材料(添加剤)を開発したと発表した。従来の鉱物系複合材料と比べ、製造から廃棄までに生じる二酸化炭素(CO2)を約50%削減しながら、従来品と同等以上の性能を発揮できるという。
同社によれば、竹は一般的な木材の4倍以上のCO2を吸収しつつ、急速に成長するため費用対効果が高い素材で、国内では放置竹林の問題もあり、竹を活用した複合材料の開発は、社会的課題解決に繋がるとしている。今回開発された複合材料は、竹が吸収したCO2を「缶詰」のように内部に保持できる特性がある。天然繊維に起こりがちな吸湿性と接着性の課題にも、天然由来の添加剤の選定や樹脂と竹の最適な接合にも成功。臭気や難燃性などの基準もクリアしたため、厳しい基準が必要となる自動車部品にも採用が可能として、添加剤を従来のタルク(滑石)から竹複合材料への置き換えを提案していく方針だ。
ポリプロピレン/竹複合材料と従来の複合材料のカーボンフットプリントの比較
図版の出所:矢崎総業 発表資料
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