兼松=フィリピンでメタンガス削減によるJCMクレジット創出へ
総合商社の兼松は16日、フィリピン・ブキドノン州において、水田を由来とするメタン排出削減の技術検証を開始すると発表した。この検証は、二国間クレジット制度(Joint Credit Mechanism:JCM)の創出を視野に入れたもので、カーボンクレジットプロバイダーのGreen Carbonと連携して行われた。
メタンは二酸化炭素(CO2)の28倍の温室効果を持つため、水田の水を間欠的に抜く「間断かんがい(AWD)」がメタン発生抑制に有効とされている。従来比で約30%のメタン発生削減のうえ、米の収穫量が改善されるという研究結果も出ている。フィリピンでは、温室効果ガス(GHG)排出量の約25%が農業由来で、そのうち約7割が水田からのメタン排出とされており、削減が課題となっていた。すでに、2月に日本とフィリピンの間で、AWDを活用したメタン削減方法論が正式に承認され、世界初の農業分野におけるJCMクレジット発行の道が開かれていた経緯がある。兼松は今後1年に渡り、JCMクレジット創出の事業化検証を行い、創出されたクレジットは排出量取引制度(GX-ETS)に参加する企業などへ提供する予定だ。
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