大阪ガス=廃棄弁当容器を原料とするバイオガス製造の実証開始
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大阪ガスは16日、大阪公立大学、大阪市と共同で、廃棄されたバイオプラスチック製弁当容器を原料に、バイオガスを生成する国内初の実証実験を開始すると発表した。期間は11月4日から12月22日までとなる。
同社は、2009年ごろからバイオプラスチック乳酸(ポリ乳酸)の研究を続け、2023年度からは大阪市の海老江下水処理場でフィールド試験を実施し、下水汚泥に乳酸を投入すると、下水汚泥単独の場合に比べ約3倍のバイオガスが発生することを確認した。このバイオガスの成分は、都市ガスの主成分となるメタンが約60%、二酸化炭素(CO2)が40%となっている。
実証実験では、大阪公立大学森之宮キャンパス内で生じる、バイオプラスチック製の弁当容器を回収し、隣接する中浜下水処理場の消化槽で、大阪ガスが開発した乳酸分解技術を使って乳酸由来のバイオガスに変換する。微生物(メタン菌)によって通常の下水汚泥由来ガスに加えて、乳酸由来ガスを生成。試算では、実験の期間で一般家庭約30戸分の都市ガス使用量に相当する約60立方メートル(m3)のバイオガスが得られるという。また、石油由来プラスチックの使用量も約60キログラム(kg)削減できることから、CO2排出量も約340kg抑制できるメリットもある。
将来的には、関西圏で流通する見込みのバイオガス化可能なバイオプラスチック量は年間約3万トンとされている。すべてをバイオガス化できた場合、一般家庭約4万戸の年間都市ガス使用量相当にする、3,200万m3になると推算。大阪ガスは、今回実証するバイオガス化技術に関し2030年ごろの実用化を目指している。
バイオガス製造のイメージ
図版の出所:大阪ガス 発表資料
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