LNG=10月28日~11月1日:各相場とも下落、供給過多が顕著に
【DES北東アジア】
DES北東アジア相場は先週、弱含んだ。供給過多が顕著になり始めていた。サハリン2プロジェクト(年産1,080万トン)、ドンギーセノロプロジェクト(DSLNG、同200万トン)出しを始め極めて多くのスポット玉が表面化する反面、需要は日本や中国企業から散発的に見られる程度だった。露サハリンエナジーは10月31日、サハリン2プロジェクト(年産1,080万トン)で12月11日に船積みするカーゴの販売入札を締め切った。DESベースの販売に軸足を置いているが、FOBベースでの販売も可能だった。また豪イクシスLNGは12月上旬積みの売り物を抱えており、11月2週目の早い時期に入札を開示するとの見方が有力だった。
【FOB中東、DES南アジアおよび中東】
FOB中東、DES南アジアおよび中東相場は先週、軟化した。売り物が潤沢で、唱えを下げてカーゴの販売に動くプレーヤーが見られた。インドの需要家が買い気を見せていたが、市場のセンチメントは弱い状態が続いた。インド国営石油会社(IOC)が10月31日、11月5~15日着カーゴの買付け入札を締め切った。応札価格の有効期限も同日だった。IOCは9月26日も10月着カーゴの買付け入札を締め切ったが最終的に落札を見送っていた。IOCは3月に稼働開始したエノール基地(年間受入能力500万トン)を運営しており、同基地向けのカーゴを定期的に手当てしている。
【FOB大西洋圏・DES欧州・DES南米】
FOB大西洋圏、DES欧州、DES南米相場は先週、需給の緩みを背景に軟調だった。米サビンパスプロジェクト(年産2,250万トン)や露ヤマルプロジェクト(年産1,650万トン)出しの売り物が潤沢となっていることに加え、アンゴラLNGや国営ナイジェリアLNG(NLNG)が定期的に販売入札を実施していた。一方で南米や欧州向けの需要は依然として限定的で、メキシコ向けに1カーゴの買付け入札が開示された程度だった。メキシコ国営電力会社(CFE)は31日、11月16~17日着の1カーゴを対象に買い付け入札を締め切った。CFEは、8月末に9月着2カーゴを対象に買付け入札を実施して以来、入札を通してのスポット購入を見送っていた。