LNG=11月18~22日:DES北東アジア相場は下落、売り潤沢で需給緩む
【DES北東アジア】
DES北東アジアのスポット相場は先週、弱含んだ。販売入札が相次いで開示された一方、台湾向けの需要が見られた程度で需給が緩んだ。パプアニューギニアのPNGLNGが20日に販売入札を締め切った。対象はPNGLNGプロジェクト(年産690万トン)から12月17日に出荷されるカーゴで、DESベース、FOBベースのいずれでも応札が可能だった。また豪イクシスLNGは21日、イクシスプロジェクト(年産890万トン)出しの12月7~8日積みを対象とした販売入札を締め切った。このほかにもインドネシアのタングーLNGは、タングープロジェクトから1~3月に船積みするカーゴのDESベースでの販売入札を開示した。今回の入札では、1月16~20日、同25~29日、2月20~24日、3月6~10日、同18~22日積みの計5カーゴが対象となっている。応札の締め切りは28日だった。
一方台湾中油(CPC)が11日に締め切った買付け入札では、全カーゴが落札されたとの見方が寄せられた。同入札は永安基地向けとして2020年1~12月着各月1カーゴを対象に実施された。数量ははっきりしないものの、英蘭ロイヤル・ダッチ・シェル、丸紅、三井物産、英BPが落札したと見られていた。CPCが18日に締め切った買付け入札については、全カーゴは落札されていないと見られていた。この入札は台中基地向けとして2020年1~12月着各月1カーゴを対象に実施された。シェル、BPなどが落札したと見られていた。
【FOB中東、DES南アジアおよび中東】
FOB中東、DES南アジア、中東相場も先週、軟化した。南アジア向けに需要は見られたものの、中東、大西洋、豪州、インドネシアなどのプロジェクトからの供給が潤沢で、需給が緩んだ。インドの需要家による買付け入札が相次いで開示されている。インド国営ガス会社(GAIL)は12月20~25日にダホール基地(年間受入能力500万トン)で引き取るカーゴを対象とした買付け入札を11月20日に締め切った。応札価格の有効期限も締め切りと同日となっていた。また、グジャラット州石油公社(GSPC)は1月前半着カーゴの買付け入札を締め切った。応札の締め切り・応札価格の有効期限はいずれも11月20日だった。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】
FOB大西洋、DES欧州、DES南米の相場は先週、下落した。引き合いが少なく、市場のセンチメントの弱い状態が続いた。英アイルオブグレーン基地に12月中旬、トリニダードトバゴ出しを積載したMEGI型船「ブリティッシュリスナー」号が到着する予定となっている。英BPがトリニダードトバゴ出しの権益玉を輸送していると見られていた。「ブリティッシュリスナー」はトリニダードトバゴのアトランティックプロジェクトを10月10日に出航。喜望峰を経由してアジアに向かったものの、先週シンガポールで引き返し再び喜望峰に向けて航海していた。BPはアジア向けにカーゴを販売する意向だったものの、成約に至らなかったようだ。このため同社は、利用権を持つアイルオブグレーン基地でカーゴを引き取ると見られていた。