電力=12月16~20日:東が小反発、北海道で強含み
卸電力市場は東日本が反発し、西日本が引き続き小安くなった。Rim Indexスポット(翌日物取引)価格の24時間・中心値は、前週の平日(12月16~20日)、平均でみると前の週に比べ東日本が1kWh当たり(以下同)の0.56円高(6.4%上昇)の9.33円、西日本が同0.08円安(1.0%低下)の8.27円だった。全般的に暖冬が続いたが、東日本では、特に北海道地域が強含み、相場を押し上げた格好。西日本は曇りがちで、太陽光発電からの供給量が低飛行を続けたものの、需要が伸び悩んだため、強弱の材料がほぼきっ抗したとみられる。東日本と西日本の中心値の格差は1.06円と、前の週の0.42円から拡大。
日本卸電力取引所(JEPX)の1日前市場では、東日本のうち北海道地域の平日平均が前の週と比べ1.28円値上がりし、10.23円に達した。札幌の予想最高気温(前日発表)は、6日から順に6度、7度、4度、0度、0度と、特に週央まで平年を大きく上回る水準で推移。週中で最高値を付けたのは、予想気温が最も高かった17日受渡の10.61円。17日の天気予報は雨交じりで太陽光発電からの供給減が、価格を押し上げた部分が大きいと考えられる。太陽光発電に反応しやすくなった一因としては、火力運用の可能性が高い。北海道電力の伊達石油火力発電所3号機(定格出力35万kW)の予定は14日だったが、12日夕方、26日へと延期になった。予定されていたピーク電源が復帰しない中、札幌で雪や雨交じりの日が多くなり、北海道ではピーク時を含む昼間の価格に対する上昇圧力がかかりやすくなった可能性がある。 東京はJEPXの平日平均が9.24円と、前の週と比べ0.35円高にとどまった。ほか都市と異なり、東京は寒気がやや強まる場面があったが、逆に、気温が上昇する際は、西日本を上回る水準が想定された。平均価格を均すと、上げ幅は北海道に比べ、穏やかになった。一方、西日本の大阪や名古屋、福岡の予想最高気温は、おおむね10度台半ば以上の水準を維持した。曇りがちだったが、西日本の各地域では、総じて暖房需要の低迷が相場の重しとなったもよう。
日本卸電力取引所(JEPX)のスポット取引(1日前市場)では、16日から20日受渡のシステムプライス・24時間の平均が前の週より0.17円高(2.0%上昇)の8.67円だった。同期間の1日平均の約定量は約9億900万kWと、約9億600万kWだった前の週とほぼ同水準。
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