LNG=1月13~17日:DES北東アジア相場は下落、暖冬で需要振るわず
DES北東アジアのスポット相場は弱含んだ。商いの中心となる3月前半着は4.75~5.05ドル。暖冬や景気低迷の影響でスポット需要は限られた。韓国企業など一部需要家がスポット購入に動いた程度となった。中国では旧正月の連休入りを24日に控え、中国海洋石油(CNOOC)をはじめ国営3社のLNG在庫が積み上がっており、カーゴの引き取りをキャンセルする動きが出た。反面、供給余力は充分。露サハリンエナジーがサハリン2プロジェクト(年産1,080万トン)で2月26日と同28日積みの各1カーゴを対象に15日、販売入札を締め切るとともに、ブルネイLNGが17日締でブルネイプロジェクト(同710万トン)で3月12~15日、同30~31日積みの2カーゴの販売入札を開示。さらには、パプアニューギニア、イクシスプロジェクトも2~3月積みの販売入札を開示した。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】 露ノバテックがヤマルプロジェクト(年産1,650万トン)出しの販売に動いた。ヤマル出しは、生産量に対して長期契約による販売量が少ないことから、ノバテックが恒常的に余剰玉を抱えている。今回は、4~8月積みが対象。数量は最大で月間1カーゴ。一部をDESベースで売りに出ていたもよう。夏場のカーゴは、北極海周りでアジア向けにも販売可能となった公算が大きい。
【FOB中東、DES南アジアおよび中東】 パキスタン向けのLNGのスポット需要が減っている。国営パキスタンLNG(PLL)は12月17日締めの入札で2月16~17日着1カーゴを中国石油天然気(ペトロチャイナ)から購入したが、先週末の時点で3月着の買付けを見送る意向を示した。パキスタンでは都市ガス企業向けの需要が旺盛な反面、複数の石炭火力発電所が新たに稼働を始めるとともに2021年には合計で4~5カ所の石炭火力発電所の操業が始まる予定。また、首都イスラマバードを始め降雨量が例年に比べ多めと見られ、水力発電の出力も高い水準にある。このため、LNGをもとにしたガス発電の需要は伸びを欠いている。
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